BLOG 美術探訪
2021.07.21
◆現代の6名のスターアーティスト◆
皆さんこんにちは。
ミライカ美術の田中です。
2020年7月31日から森美術館で行われていましたSTARS展をご存じでしょうか?
STARS展は、古美術、建築、造園、伝統芸能など
幅広い文化に精通する代表的な作品を見せるだけでなく
彼らがいかにして世界に認められるようになったか
その道のりを伝えたい、という思いがありました。
「スターは一日にしてならず!」長い時間をかけて世界的な評価を勝ち得た
この6人のキャリアや人生の軌跡は、我々に勇気をくれます。
多様な人々が多様な形で世界に認められ
日本の現代アートのパワーを感じ取れる
デビュー作と最新作が同時に見られる斬新なイベントでした。
6人のスターとは
●「常同反復」や「増殖」「集積」と呼ばれる
水玉や網目模様、突起などの造形が繰り返される表現の「草間彌生(弥生)」
●古美術、建築、造園、伝統芸能など、幅広い文化に精通する「杉本博司」
●カウントの際に0(ゼロ)は表示されない代わりにLEDは暗転するが
この暗転は死を意味し、生と死の反復を表現している「宮島達男」
●日本のバブル経済期に花開いたオタク文化に
江戸時代から脈々と流れる日本独自の感性を見出した「村上隆」
●親しみやすさと神聖さ、無邪気さと残酷さなど
相反する性格を共存させる「奈良美智」
●鮮烈な村上隆の世界観から一転
静謐でラディカルな展示空間をつくり出すのは「李禹煥(リー・ウーハン)」の6名。
オリンピック、万博など国家規模のイベントが続き
日本の国際化が推進された戦後の高度成長期。
その間には現代アートの世界でも
脱植民地主義や多文化主義などさまざまな議論が重ねられ
ビエンナーレやアートフェアなど新たな場が拡がりました。
この展示会では、この間に日本という枠を越えて広く国際的に活躍した彼らの実践は
世界からいかに評価されてきたのかを
国境や文化を越えた普遍的な課題の追求
伝統や美学、テクノロジーやサブカルチャーなど
日本固有の社会的、文化的、経済的背景をふまえて探るものになっていました。
村上隆が興味深いことを語っていました。
「彼らのようなスターになると原画やオブジェは
千万、何億という私たちには想像も出来ない価格帯で取引されています。
購入するお客様は贅沢三昧の人々で
ありとあらゆる物を見てきて非常に目が肥えている。
そういったアッパー層を相手にしている訳で
より前衛的でより、新しく、より攻撃的なものでないと引っ掛からない
彼らの欲求を満たすアートは一般人とは違う所にある。
全ては戦いで、非常に大きなプレッシャーを背負っている。」
6人全て順風満帆ではなく、苦悩の日々試行錯誤を重ね
今の地位をつかみ取りました。
しかし政治家でも無いので他人が認めた地位で彼ら彼女らは
自身が表現したい物を表現し続けていく。
それが生きることであると感じます。
ミライカ美術では東京店・福岡店より
草間彌生(弥生)、奈良美智、村上隆など
現代アート作家を高値相場で買取査定しております。
是非お気軽にお問合せ下さい。