BLOG 美術探訪
2022.02.08
ザ・フットペインティング◆白髪一雄◆
皆様こんにちは。
ミライカ美術の田中です。
今回は足を絵筆代わりにするという未知の領域を開拓した「フット・ペインティング」の白髪一雄を紹介します。
「白髪」という苗字からしてかなり個性的で忘れられない名前ですよね。
白髪一雄は、戦後日本の前衛芸術を牽引した具体美術協会の中心メンバーとして知られています。
兵庫県で生まれ、元々風景画や人物画を描いていいましたが
具体美術協会に入り描き方を大幅に変更します。
天井から吊るしたロープを両手でつかみ
床に広げたキャンバスの上に絵具を出し
体をダイナミックに動かしながら足を使って絵の具を広げて作品を制作するという
「フット・ペインティング」を確立されました。
従来は制作の手段にすぎなかったアクションやパフォーマンスをまさに画面の主役に据え
既存の芸術的、社会的な常識を一気に飛び越え
人間がものを作る行為の原点にたち返る画期的なアイデアでした。
大量の絵の具を足でこねるように扱い
更に滑らように一瞬でラインを描いていきました。
アクション性も高く、描く姿は観る者を魅了しました。
具体美術協会解散後はやがて素足にかわってスキージ(長いヘラ)を用いた作品を制作するようになりました。
先鋭な制作を貫いた白髪一雄の作品は
空間や時間、物質や運動のなかで人間の存在のすべてを燃焼させる圧倒的な力を持っており
同時に、絵具の滴り、滲み、粘性や流動性、屈強さといった
油彩画ならではの魅力を豊かに備えています。
2000年代に入ると、海外の美術館やアートマーケットで具体の評価が高まり
そのなかでも、最も作品が高く落札される画家のひとりになりました。
近年改めて国際的に熱い注目を集めています。
ミライカ美術では東京店・福岡店より今後大注目の白髪一雄の作品を高値相場で買取査定しております。
是非お気軽にお問合せ下さい。