BLOG 美術探訪
2021.11.17
魂をふるわす画家◆塩田千春◆
皆さんこんにちは。
ミライカ美術の田中です。
私は趣味で15歳くらいからギターをやっていました。
学生時代当時バンドスコア(楽譜)は大体2500円くらいでした。
バイトしてブルース、ロック、フュージョン系のアーティストのスコアをコツコツ買い貯めていましたが
最近部屋を整理していたら大量に出てきてどうしたものかと思っていました。
本なんて売りに行ったって二束三文だろと思い
試しにヤフオクやメリカリで調べたらなんと
定価の2倍、3倍で売却されている物が多数有りビックリ!
どうやら絶版になっているみたいで今では手に入らない希少な物になっていました。
気が付けば20年以上眠らせていたら相場が上がっており
美術界もこういった現象は多々あります。
物の価値って本当に不思議ですよね。
さて今日紹介する現代アーティストは塩田千春です。
1972年、大阪府生まれ。ベルリン在住です。
京都精華大学芸術学部洋画専攻を卒業後、ハンブルグ美術大学に入学。
その後ブラウンシュバイク美術大学に在籍し
マリーナ・アブラモヴィッチに師事します。
ベルリン芸術大学ではレベッカ・ホルンに師事し
現在もベルリンを拠点に活動しています。
彼女は生と死という人間の根源的な問題に向き合い
「生きることとは何か」「存在とは何か」を探求しつつ
その場所やものに宿る記憶といった不在の中の存在感を糸で紡ぐ
大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など
多様な手法を用いた作品を制作しています。
2005年に癌を発症し2017年に再発しました。
機械的に進んでいく病気の治療に違和感や葛藤を覚え
作品に昇華するしかなかったと語っています。
塩田千春は先の見えない世界の
掴みどころのない不安が原動力となっています。
それはやはり彼女の癌になった経験と闘病生活が作品に色濃く反映されているのを感じ取れます。
2015年にベネチア・ビエンナーレの日本代表となり知名度は増しました。
66万6千人の鑑賞者。
島根県の人口が約67万人だから、島根県民全員がみたような数字になります。
2017年の癌再発と闘病以降
塩田の作品に身体のパーツが使われるようになります。
その背景には治療のプロセスでベルトコンベアーに乗せられるように
身体の部位が摘出され
抗がん剤治療を受けるなか魂が置き去りにされていると感じた経験があります。
魂の不在のなかに生命の営みの存在を感じてきた塩田千春作品から糸が紡ぐ生と存在を感じ取れます。
塩田千春の大規模な作品を見ると圧巻され
禍々しさを感じながらも美しさに惹かれます。
そして、テーマである「生」「死」「存在」「コミュニケーション」が
どのように表現されているのかを考えさせられます。
まるで複雑な迷路に迷い込んだ異次元空間のようで圧倒されます。
今後もより私達に刺激的な作品を提供し続けてくれること、間違いなしです。
ミライカ美術では東京店・福岡店より
今後大注目の塩田千春作品を高値相場で買取査定しております。
是非お気軽にお問合せ下さい。