BLOG 美術探訪

2021.05.07

森羅万象に挑み続けた画家◆李禹煥(リ・ウーハン)◆

皆さんこんにちは。

ミライカ美術の田中です。

 

私は子育て世代の40歳代です。

最近驚いたことがあります。

それはマッチの存在です。

タレントのマッチじゃなく、、、そう火を付けるマッチです。

皆さんはそのマッチがどうした?と思うでしょうが、

今の子供たちはマッチの存在すら知らないのです。

確かに我が家はオール電化、

バーベキューなどの火起こしもライターやチャッカマンでいいですもんね。

ちなみに極寒地ではライターなどはガスの圧が上がらず火が付かないのでマッチは必須らしいです。

我が子に「マッチ売りの少女」って言う童話読んだことない?と聞くと、

知らん、という回答。

時代が変わりましたね。

 

今回ご紹介するアーティストは、李禹煥(リ・ウーハン)です。

李禹煥(リ・ウーハン)は、

1936年大韓民国慶尚南道生まれ。

日本の高度経済成長期、

近代への批判が国際的にも高まるなか、

生産を否定し、ものや素材そのものを提示する彫刻の動向が生まれ、

60年代後半から「もの派」の中心人物として活動しました。

「もの派」が実践したのは、

木や石といった自然素材と、紙や鉄材、

ガラスなどの工業製品といった「もの」のあいだに自分の意思を介入させることで、

素材同士の新たな関係性を提示するという試みです。

 

李禹煥(リ・ウーハン)自身は与えられた空間や状況における媒介、

エネルギーとして機能し、

それぞれの瞬間に求められる緊迫と均衡の時空を模索されてきました。

そして石やガラスなどによって作品を制作したほか、

70年代初頭からは平面作品も制作し「線より」「点より」のシリーズを発表されました。

キャンバスの一部のみに筆の跡を残し、

大きく余白を残すこれらのシリーズは、

石やガラスを用いていたときと同じように、

手を加えることを最小限に抑え、

余白の広がりと空間の存在を感じさせるところに特徴がありました。

続く80年代には、

よりダイナミックに空間を意識した「From Winds」「With Winds」といったシリーズを制作し、

美術批評も手がけていかれました。

 

 

2010年には直島に李禹煥(リ・ウーハン)美術館、

2015年には韓国に釜山市立美術館・李禹煥空間が開館。

日本の戦後美術への関心の拡がりや

非欧米圏のモダニズムの比較研究とともに「もの派」が国際的にも再評価され、

李禹煥(リ・ウーハン)の50年に亘る多様な実践に今大きな注目が集まっています。

 

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