BLOG 美術探訪
2020.12.16
ポップアートの旗手!キース・ヘリング先生
皆様こんにちは。ミライカ美術の田中です。
絵画や芸術作品って美術館などで静かに鑑賞するイメージがありますよね。少し敷居が高い感じと言うか、とっつきにくいと言うか、しかし海外ではよく路地裏や地下鉄などに落書きがあります。
しかも中には凄いクオリティが高い物があります。そういったストリートアートの先駆けとも言えるのがキース・ヘリング先生です。油彩画など古典的な物ではなく、より気軽に、より身近なポップアートと言うジャンルを切り開きました。
今日はそのキース・ヘリング先生を紹介します。
米国ペンシルバニア州出身。1958年生まれのキース・ヘリングは、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアなどと同様に、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストです。
80年代初頭にニューヨークの地下鉄で、黒い紙が貼られた使用されていない広告板を使った通称サブウェイドローイングというグラフィティ・アートを始め、そのコミカルで誰もが楽しめる落書きは、地下鉄の通勤客の間で評判となり、一躍ヘリングの名を広めることになりました。
日本には1983年に初めて訪れ、屏風や掛け軸といった日本特有の家具や道具に墨を用いたドローイングを発表しました。87年に東京多摩市のパルテノン多摩で約500名の子供らとともに壁画を制作するなど、ワークショップや社会的プロジェクトにも積極的に取り組みました。
アートはみんなのもの」をモットーとしたヘリング先生は、自ら作品の商品化を進め、86年、オリジナルグッズを販売する「ポップショップ」をニューヨークに開店しました。88年には日本にもポップショップ・トーキョーをオープン。
シンプルな線と鮮やかな色で構成されるポップな作風の絵画や版画、ポスターには、核放棄やエイズ予防、LGBTの認知といったメッセージが込められたものも多く話題を呼びました。
1988年にはエイズ感染と診断され、その翌年に財団を設立し、1990年31歳で亡くなるまで、アート活動を通してHIV・エイズ予防啓発運動にも最後まで積極的に関わりました。31歳と本当に若くして亡くなられました。
キース・ヘリング先生がよく描いたモチーフは「光輝く赤ん坊」「円盤」「犬を象徴するもの」などです。
キース・ヘリング先生の絵画は「多くの人が認知しやすいビジュアル言語」の要素があり、また後期作品は政治的、社会的なテーマ、特にホモセクシャルやAIDSなどのテーマが含まれるものが増え、ホモセクシャルやエイズはキース・ヘリング自身の象徴でもありました。
シンプルな温かさ、微妙な動き、世界中の人が分かり易い、愛がある、ユーモアがある、配色のバランスなど多くの魅力があるキース・ヘリング先生作品。
身近なストリートアートが今では美術館で鑑賞する大先生になってしまったのは皮肉なものですが、ユニクロのTシャツなど身近なアイテムに多く採用されているのでアートの敷居を下げてくれた事は間違いないです。
ミライカ美術(東京店・福岡店)ではキース・ヘリング先生の作品を高価買取致しております。是非お気軽にお問い合わせ下さいませ。