BLOG 美術探訪

2020.03.04

何故?みんなゴッホが大好き。

皆さまこんにちは。ミライカ美術の田中です。

連日まだまだコロナウイルスのニュースで持ち切りです。弊社でも、お客様のご自宅などお伺いする時は、次亜塩素酸消毒やマスクを着用させて頂き万全のウィルス対策を行っております。

さて話は変わりますが、私は23才から美術品に携わる仕事を始めました。転職もしましたが、18年以上美術の仕事をしています。

ですから絵画や美術品は大好きです。好きな作家も沢山いますが、昔からゴッホは大好きです。それほど意識していた訳ではないのですが、20代前半にニューヨーク旅行に行き、メトロポリタン美術館でゴーギャンと交換し合った「ひまわり」の作品を観た時、作品のエネルギーに圧倒されました。

若かったこともあり、強烈に印象に残りました。その後はゴッホにより興味を持つようになり、特集番組を見たり、本を読んだり、ゴッホ展が有れば足を運んだりしました。

ゴッホの作品は不思議な魅力があります。何だか憎めないPOPな絵柄、現実ではあり得ない配色、浮世絵の構図を取り入れている、流れるような迷いのない規則的な筆使いなど、あげればきりがありません。

御幣があったらすみません。作品としては決して上手い(画力が高い)とは言えないのですが、当時も誰も評価しなかった訳ですから、前衛的で独自の新しい表現を生み出していたのでしょう。

その後弟のテオや家族の啓蒙活動で多くの人にゴッホの描いた作品が世に知られるようになったのです。

つい最近芸術系の紹介番組でもゴッホの特集が放送されていました。そこでとても印象的な言葉がありました。

「多くの人を救いたい」 ゴッホは元々牧師になり多くの貧しい人を救いたかったのです。しかし牧師の道を諦め、画家の道を歩みます。

初期はミレーの影響を色濃く受け、貧しい農家の人々のリアルな現実を描いていきます。その後は非常に有名なストーリーが続きます。

そう、ゴーギャンとの出会い、アルルに移り共同生活、その後破綻、そして耳切事件、最終的に精神病院に入院します。

元々牧師になり人々を救いたかったゴッホ自身が、精神病院でお世話されていることに絶望しますが、心の奥底でやはり人々を救いたいという思いは消えず、絵を描き続けるのです。

そして最終的に自殺してしまうのですが、その描いてきた多くの絵は今では世界中で愛され、世界中で観覧され、多くの書物になり、メディアにも取り上げられ、結果多くの人々を勇気づけ、感動を与え、生きる希望に繋がった人も多くいると思います。

ゴッホの絵の魅力はやはり技術や画力ではなく、作品に込める想いなのではないでしょうか?

その後、日本でも、日本のゴッホと言われた山下清、純粋無垢で素敵な絵柄です。

「わだばゴッホになる」と言って版画家になった棟方志功も世界で認められています。

ゴッホは作品の精神性だけでなく、斬新で前衛的な表現も後世の画家たちに多く影響を与えています。人々を救いたいという気持ちは結果的に死後になりますが、叶ったのではないでしょうか。

弊社は東京・福岡を中心に絵画、美術品の買取を行っている会社ですが、やはり今後も画家の想い、そして購入者様の想いをくみ取り、社名にもあるように美術品をミライに繋げていこうと改めて思いました。

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