BLOG 美術探訪
2025.10.17
生涯にわたって平和を願い描き続けた巨匠◆平山郁夫◆
こんにちは。ミライカ美術の岩永です。
私は長崎市出身で原爆落下中心地が校区内だったこと、被爆者三世であるということもあり平和への関心があります。
日本各地にある慰霊碑や資料館等にも訪れ、当時の事を見て回りました。
過日、家族旅行で鹿児島県にある知覧特攻平和会館へ行きました。
私自身は3度目の訪問になりますが、何度訪れても青年が特攻で散る内容には衝撃を受けます。
5歳の息子は初めて知る内容でしたが、平和のありがたさを実感していたようです。
時間が経つにつれ風化しつつある戦時中の出来事を、子供に語り継ぎたいと思います。
さて、今回ご紹介するアーティストは平和を願って絵を描き続けた平山郁夫先生です。
平山郁夫先生はシルクロードを旅し、シルクロードや仏教をテーマにした壮大で神秘的な作品を多く描いています。
1930年に広島県の尾道市で仏教へ信仰心の厚い両親に育てられました。
1945年、15歳のころ、広島市の中学校へ進学して寮生活を送っていた時に被爆します。
この壮絶な体験は後にシルクロード作品に繋がることとなります。
その後、原爆の後遺症によって死を意識する中で「死ぬまでに平和を祈る作品を作りたい」と思うようになります。
転機は東京オリンピックの聖火をシルクロード経由で運ぶ案を新聞で知った時でした。
仏教への信仰心も相まって、「仏教伝来」、「シルクロード」を題材とした作品を数多く描くこととなります。
以後、シルクロードへ取材旅行をスタートさせてインド、中国をはじめ様々な地域へ合計160回以上訪問しています。
毎年のように各国へ取材して制作活動を行う一方で、1989年には東京芸術大学の学長も務め、後進への指導も行っています。
日本と中国などシルクロードに関わる各国の文化交流を深めるなど、国内外から高い評価を得て
日本人初のユネスコ親善大使やアフガニスタンの支援活動など多方面で活躍しました。
生涯にわたって平和な世界を望んで作品を描き続けてきた平山郁夫先生は、世界的に評価を得ています。
平山郁夫の代表作には、「絲綢之路天空」「流沙浄土変」「祇園精舎」「楼蘭遺跡を行く」
「大唐西域壁画」「法隆寺金堂」「パルミラ遺跡」「アジャンタ石窟」などがあり
どの作品にも仏教やシルクロード、あるいは文明の伝播をテーマとしたスケールの大きな世界観が共通しています。
緻密な描写と柔らかな色彩、そして荘厳な構図は、観る者を遥か古代文明の時空へと誘います。
特に人気のある作品としては「月光 鳴沙山」や「祇園精舎」などが挙げられ
幻想的な光の表現と、歴史的背景が相まって高い評価を受けています。
これらの作品は、美術館や企業のコレクションに収蔵されるのみならず
オークションや市場でも非常に高値で取引されています。
市場における平山郁夫作品の相場は、サイズ、技法(日本画、リトグラフ、シルクスクリーンなど)
制作年、共シールや共箱の有無によって大きく異なりますが
リトグラフ作品であっても数万円から50万円以上、日本画の肉筆作品においては100万円台から1000万円以上で取引されることもあります。
特に大型の肉筆画や、有名モチーフの原画などはコレクターからの需要も高く
過去には3000万円以上で落札された記録もあります。
ミライカ美術は東京店・大阪店・福岡店より平山郁夫先生の絵画を高価買取しております。
原画だけでなく、リトグラフや版画作品も幅広く取り扱っておりますので
ご自宅にある作品が思わぬ価値を持っている可能性があります。
査定の際には、作品の裏面に貼られている共シールの有無、共箱の有無、エディションナンバー、サインの状態、保存状態などが評価のポイントとなります。
とくにシミや退色の少ない状態の良い作品や、美術館や個展に出品された経歴のある作品は高く評価されます。
LINE査定・メール査定も可能で、お写真を送っていただければ概算の評価額をお伝えできます。
出張査定にも対応しており、ご自宅に眠る絵画を丁寧に拝見し、誠実にご対応いたします。
査定は完全無料で、売却を迷っている段階でもお気軽にご相談ください。
平山郁夫の作品は、美術品としての価値はもちろん、戦争や平和
宗教と文化の交差をテーマにした精神的な深みをもつ作品群として、世代を超えて支持されています。
その生涯にわたる信念と祈りは、キャンバスを超えて、観る者の心に語りかけてきます。
ご家族から受け継いだ作品や、長年コレクションされてきた一点を手放す際には、確かな知識と経験をもつ買取専門店をお選びください。
ミライカ美術では、作品一点一点の来歴や背景にまで目を向けた丁寧な査定を心がけております。
買取をご検討の際は、どうぞ安心してミライカ美術にご相談ください。