BLOG 美術探訪
2024.05.21
ポップアートの創始者の一人◆トム・ウェッセルマン◆
みなさま、こんにちは。
ミライカ美術の岩永です。
私には4-5歳になる息子が一人いるのですが
彼は身の回りの科学について興味関心がすこぶる高く、様々な質問をしてきます。
最近では「お風呂におもちゃを入れたら、おもちゃが小さく見えるはなんで?」
「地球は傾いて回転しているのに、どうしてまっすぐ立てるの?」等です。
私自身も幼少期は本が大好きで特に科学の図鑑をたくさん読んだ記憶があり
息子も同じことに興味を持って調べている様子に嬉しさを感じるとともに
懐かしさも感じる今日この頃です。
今回ご紹介するアーティストはポップアート運動の一躍を担う活躍をしたトム・ウェッセルマン(1931-2004)です。
アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインと並べられています。
彼は裸婦や日用品を絵画に用いることで抽象主義表現を拒絶しようとしました。
絵画・版画、彫刻を手掛け、彼の特徴的なスタイルが含まれています。
トム・ウェッセルマンはシンシナティ大学で心理学を専攻した後アメリカ陸軍に徴収され、3年間兵役につきました。
国内での兵役の間、漫画制作に興味を持つようになり風刺画的なスタイルもこのころからと言われています。
1954年に除隊後、シンシナティ芸術アカデミーで絵を本格的に学び始めます。
風景画旅行をした1958年は彼にとって極めて重要な年であり、漫画家から絵画の道へ進む決心をします。
1961年に始めたプロジェクト「グレート・アメリカン・ヌード」シリーズは
アート会から注目を集めるきっかけとなります。
日常のありふれた環境を舞台に、積極的に女性を性的に描き、非人格的な女性が特徴となっている作風になっています。
のちに描くことになる人気シリーズ「スモーカー」も同様のテクニックを用いています。
当初は裸婦の全体像を描いていましたが、徐々に胸部、口、手など細部を描くことに集中し始めました。
同時にアメリカを象徴する大量生産された日用品も作風に落とし込んでいる作品も多く描いており
鮮やかで明るい原色を用いたポップな作風はポップアートの創始者の一人として考えられています。
2004年に73歳で亡くなっていますが、死後も人気が高いアーティストです。
ミライカ美術では東京店・福岡店よりトム・ウェッセルマンの作品を高価買取価格にて査定しております。