BLOG 美術探訪
2023.09.14
覆い隠すことで見えてくるリアル♦佐藤誠高♦
皆様こんにちは。
ミライカ美術の田中です。
10歳になる娘が自ら初めて電話に出たのですが「もしもし」と言う言葉を発しませんでした。
我が家には固定電話も無いし、娘にまだケイタイを持たせていません。
娘は「もしもし」と言う言葉すら知らなかったのです。
私の幼少期は固定電話の時代で不特定多数の方からの電話に子供ながら出ていました。
自然と親の真似で「もしもし」と言う言葉を覚えていました。
「もしもし」なんて言葉は当たり前と思っていましたが
やはり教えないといけないものなのだと改めて感じました。
それでは、今日ご紹介する現代アーティスト(ペインター)は、佐藤誠高さんです。
1980年愛知県生まれ。
2006年東京藝術大学デザイン科卒業、08年東京藝術大学デザイン科修了のアーティストです。
人物や花を描いた一見写真のように見える佐藤誠高さんの作品は
繊細さと大胆さを併せ持ちます。
モノクロームの人物や花は
目を凝らせば鉛筆で極めて緻密に描かれており
その上に大胆かつ重厚に絵の具が重ねられています。
その制作方法として人物ならば後に覆い隠す目
花であれば花弁の印象をはじめに鉛筆で描いてからその上に絵の具を重ね
その絶妙な均衡の上に「リアル」を描き出すことを試みています。
佐藤誠高さんにとってリアルとは
例えば表面的な美しさに表れるものではなく
そのうちに潜む狂気と社会性、本能と優しさなど
様々なものごとの狭間で保たれている危うい均衡のうえにこそ見えるものであると語っています。
たしかに「瞳」や「花弁」といった佐藤が覆い隠すパーツは
それぞれの存在自体があまりに雄弁です。
その奥に潜むものに想いを寄せる時
はじめて佐藤誠高さんの描き出さんとするものが見えてくることでしょう。
彼の作品の根幹には人は人を愛おしく想い
世界を愛することができるという想いがあり優しさに満ちています。
俯瞰して見えるこの世のリアルを描き続ける佐藤誠高。
今後大注目のアーティストです。
ミライカ美術では東京店・福岡店より
今後注目の佐藤誠高作品を高値相場で買取査定しております。
是非お気軽にお問い合わせください。